多くの人にとって親の最後の介護と見送りは、人生で最初に経験する最大の悲しみです。今回はあなたの病と重なりましたが、義父は不治の病でした。それを割り引いても夫人のあなたへの態度はあきれるものですが、割り引いた後の状況とその下地は14年もの間、あなたも同意してきたことです。
加えてあなたも病み上がりですが、義父の初七日が過ぎたと言っても見送られてまだひと月です。妻と義母の悲しみに寄り添い、もう少し様子をみましょう。
堪忍袋の緒を切るにも、タイミングがある
世間では、妻の親を見送った時の、夫の態度もさまざまです。悪い例では、「ガンになったのが、親でまだよかった。自分(夫)がガンになったのでなくて、よかっただろう?」と言った人や、「実家のことで泣いたり沈んだりして、我が家まで暗くしないでほしい」と言った人がいます。短い言葉ですが、親を亡くしたばかりの妻に対し、この無神経さは、最悪です。あなたは夫人の悲しみに、どれだけ寄り添っていますか?
子どもさんをあなたの実家に預けるときに、「お願いします」の一言があって然るべきだと、姑に指摘させた45歳にもなった夫人は確かに問題が多いです。しかし状況が状況でした。その一言がなくとも許せる間柄です。きっとあなたの実母は、それまでの嫁の非常識が重なり、堪忍袋の緒が切れたのでしょう。
しかしです。堪忍袋の緒を切るにも時が有るのです。あなたは妻が、娘を実家に「押し付けた」という表現を使いますが、その言葉が自然に出てくること自体が問題です。
あなたも病み上がりでしたが、あなたか実母のほうから、子どもは責任を持つからお父様を心おきなく看病しなさいと、先に切り出しても不思議でない状況でした。
結婚以来14年間も、掃除洗濯・朝夕食の支度にノータッチだった人に、この期に常識を説くのは逆効果です。「初七日が済んだから帰ってこい」ではなくて、ここは黙って「お母さまを支えてあげなさい」でしょう。その他の言い分は、もう少し時を待ってからです。
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