「ヒラリー支持者」が急増している4つの要因 共和党員が続々とトランプから離れている

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2つ目に挙げられるのが、若年層の「トランプ離れ」だ。「USAトゥデイ」紙は8月15日、1面トップで「若い有権者たちが群れをなしてトランプから逃げている」と題する記事を掲載。8月5日~10日に行われた世論調査では「ミレニアル世代(18歳~34歳)」におけるクリントンとトランプへの支持はそれぞれ56%対20%と、35歳以下のトランプ支持は米現代史上もっとも低いと伝えた。今年4月に実施された国勢調査では、ミレニアル世代の人口が7540万人と、ベビーブーマー世代(51歳~69歳)の7490万人を初めて上回るなど、今やミレニアル世代は重要な有権者になっている。

記事によると、「もし今選挙が行われた場合、誰に投票するか」とミレニアル世代に尋ねたところ、クリントンが50%だったのに対してトランプはわずか18%だった(リバタリアン党候補ゲーリー・ジョンソンは11%、緑の党候補ジル・スタインは4%だった)。

米政界における重鎮もトランプ不支持へ

3つ目は、トランプ不支持を表明する共和党員が増え続けていることだ。たとえば、共和党政権下で働いていた共和党国家安全保障当局者50人が8月8日に公開書簡を発表し、トランプは大統領となる「人格、価値観及び経験に欠け」、「国家の安全保障と健全性を危険にさらす」と主張。書簡の署名者の中にはマイケル・ヘイデン元中央情報局(CIA)長官や、ジョン・ネグロポンテ元国務副長官、ロバート・ゼーリック元米通商代表ら米政界における重鎮も名を連ねている。

共和党の穏健派で知られるスーザン・コリンズ上院議員も8日付の「ワシントン・ポスト」紙に寄稿し、トランプは「共和党の伝統的な価値観を共有せず、分断した国家を癒すのに重大な意味をもつ参加型の政治的アプローチを有しない」ため、トランプには投票しないと表明した。経済界でも、筋金入りの共和党員であるヒューレット・パッカード(HP)のメグ・ホイットマンCEOが2日、クリントンに投票すると明言。彼女はヒットラーやムッソリーニと比較したうえで、トランプは「不誠実な扇動政治家」かつ米国の民主主義に対する脅威であると非難した。

さらに8日には、モルモン教徒で反トランプ派の共和党員エバン・マクマリンが無所属で大統領選に立候補するなど、共和党員の不満は看過できないほど高まっている。

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