風光明媚!長距離特急「南風」に乗ってみた 4時間半で乗務員交替5回、無人駅にも停車

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きらめく瀬戸内海を展望しながら四国の香川県から本州岡山県へ

山中の要衝、阿波池田は12時23分に発車。しばしの直線に110km/hまで引き上げ、佃は二度目のアンパンマン「南風7号」を待たせて通過。吉野川を渡ると、次の険しい山越え、讃岐山脈を越えて香川県に入る。列車は変わらず果敢に飛ばし、約15kmの山岳コースを10分少々で克服。次第に高さが失せて、視界の広がりにホッとすると、讃岐平野に躍り出て琴平に到着した。金毘羅さんの土産袋を携えた観光客が待ち受けており、以後は指定席まで満席になった。

それとともに、驚いたことに車内販売が乗車。「丸亀までの短い区間ですが…」と、駅弁も積み、先頭の3号車から車内を回り始めた。時間としては20分もないが、結果的に今回の特急乗り継ぎの中では唯一の車内販売であった。

所要時間は4時間35分

『鉄道ジャーナル』10月号(8月20日発売)。特集は「特急にっぽん縦断」。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

一方、多度津で予讃線に合流、複線区間へ発車すると、車掌の声が女性に変わった。じつはこの「南風12号」では車掌の交替が印象に残った。土佐くろしお鉄道線が中村を境に2人、窪川でJRに引き継いだ後も高知で交替、多度津からの車掌は数えて5人目。これも時代の成す光景か。

丸亀が四国内最後の停車駅で、宇多津を通過して瀬戸大橋線に入る。かすむ巨大吊橋の主塔を遠望しながら大きく旋回し、自動車道が被さると、まもなく海上。高知県の太平洋岸から山また山の四国を横断し、田園から都市、そしていよいよ瀬戸内海を渡る。眼下の海に塩飽(しわく)諸島が散り、これまでとまるで異なるスケールの風景が展開する。

およそ8分、海上を飛べば本州に上陸だ。児島で6人目となるJR西日本の乗務員に交替すると、残す行程は岡山まで20分。4時間35分に及ぶ、2016年現在においては所要時間的にも、全国の昼行特急の中で屈指となった「南風12号」の旅は終わる。その展開はダイナミックで飽きなかった。

(撮影:目黑義浩)

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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