国内リストラが続く、自動車部品の苦悩

国内事業の縮小が課題

「国内生産は年々減少している。いずれはここも海外生産のためのトレーニングセンターなどに転用せざるをえないだろう」

ある自動車部品メーカー幹部はかつて活況を呈した本社工場を前にため息をついた。

1ドル=90円台の円安定着で恩恵を受ける自動車業界。もともと順調に回復する北米市場や、新興国市場の拡大を背景に、業績の拡大が見込まれていた。そこへ吹いた追い風で業績見通しの上振れも期待されている。そんな明るい環境とは裏腹に、自動車部品メーカーの間では、国内リストラの動きが続いている。

国内は自動車販売台数の減少と売れ筋の低価格化が止まらない。拡大する海外市場に対して、完成車メーカーが国内生産車の輸出増ではなく、需要地に近い現地生産の拡大によって対応する流れは、円安が進んでも後戻りする気配がない。

部品メーカーも経営の重心を国内から海外へと移さざるをえない。

冒頭の部品メーカーでも、海外工場は拡張を迫られる一方、生産量がピーク時の数分の1に落ち込んだままの本社工場をどうするかが大きな課題となっている。最近では研究開発部隊の海外移管にも着手したところだ。

日産自動車系の大手自動車部品メーカーでラジエーターや運転席モジュールなどを手掛けるカルソニックカンセイは、北関東から東北に立地する生産子会社の一部の統廃合を計画中。すでに本体工場の集約を進めていたが、国内生産の一段のスリム化に取り組まざるをえなくなった。

また、これまで日本の本社で担当してきた海外向けの開発業務について、新興国向けの開発を中心に、13年から海外移管を加速させている。インド向けの開発については、現地のエンジニアリング会社に外注、開発費用の圧縮を図る。

カルソニックカンセイは、間接部門の人員削減などとも合わせ、2013年度は年間で十数億円単位での固定費圧縮を図る方針だ。

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