ベアリングカルテルの懲りない面々 40年前と同じ構図、大手3社に行政処分へ
一方、今回のベアリングカルテル問題が明るみになったのは、「課徴金減免制度」がきっかけだ。日本では06年の独占禁止法改正で導入された。公取委が調査を開始する前に、「談合やカルテルにかかわった」と当事者が先に申し出ると、課徴金が全額免除され、刑事告発対象から外れる。
トヨタ系のジェイテクトが申し出
今回、この制度を利用したのがジェイテクトである。豊田工機と光洋精工が06年に合併して誕生したジェイテクトは、独立系である他の3社と違いトヨタグループに属し、自動車メーカーとの距離が密だ。4社の中でみると「抜け駆け」「裏切り」だったかもしれないが、トヨタの後ろ盾があり、よりコンプライアンスを重視しなければならないジェイテクトにとっては、ベアリング業界に長らく根付く悪しき慣行からの脱却を誓ったともいえ、業界に自浄作用が働き始めた兆しとも取れる。
一連のペナルティを受けて、日本精工、NTN、不二越の各社はコンプライアンス強化に向け専門部署を立ち上げるなど、社内の教育・啓蒙に力を入れ始めた。ただ、長らく患った“病巣”を本当に取り除くことは、一筋縄でいかない部分がありそうだ。業界に注がれる厳しい視線に応え、今度こそ悪しき慣行を撤廃する覚悟が求められる。
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