リオ五輪にしらけムードのテレビ関係者たち メダルラッシュと長時間放送の裏で何が?

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CMによる広告収入が減る中、夏期イベントの重要度が増しているのは間違いありません。目標の集客数や売上額は高いだけに、イベント担当者たちはリオ五輪が盛り上がるほど、複雑な心境になっているようです。

バラエティー番組担当は割り切りムード

その他、テンションが下がっているテレビ関係者と言えば、テレビ雑誌を手がける編集部や、番組表(ラテ欄)を掲載する新聞・ウェブの担当者。テレビ雑誌はリオ五輪によって、特集誌面の構成が難しくなり、番組表も内容の決定が遅く、放送内容が変更されるなど、普段以上の苦労が多いそうです。

私の知人である某テレビ雑誌の編集長は、「リオ五輪の放送内容でさんざん振り回された結果、番組表がスカスカになってしまった」「それくらい労力が多いのに読者からの苦情が多い」と嘆いていました。また、テレビ雑誌のメインコンテンツであるドラマが盛り上がらないことが売り上げにも響いているようです。

ちょっと意外なのは、多くのテレビタレントたちが一歩引いたところからリオ五輪を見ていること。番組でコメントするときもはしゃぎすぎず、ブログの内容もリオ五輪について書く人は少なく、しらけムードというほどではないものの、冷静な目で見ているのです。

テレビタレントたちが冷静になっている理由は、「リオ五輪の人気に便乗するな」「売名行為だ」とバッシングを受けるのを恐れているから。「リオ五輪にノリノリでもダメ、冷めすぎてもダメ」という世間のムードにやりづらさを感じているのでしょう。

ちなみにバラエティー番組は、すでに視聴習慣がついているため、リオ五輪が終われば何事もなかったように元通り。関係者たちは、多少視聴率が下がったとしても冷めた目で見るのではなく、「4年に一度の祭典を楽しもう」と割り切っているようです。

五輪はサッカーやバレーボールの日本代表戦中継に比べると、タレントが出演することが少なく、「絶対に負けられない」などの強引なあおり演出も少ないため、競技そのものを楽しみやすいのがうれしいところ(その分、ワイドショーによる感動のあおり演出は激しくなっていますが……)。私たち視聴者は、テレビ関係者たちの苦境を気にせず、22日朝の閉会式までアスリートたちの奮闘を思う存分楽しめたら、と思っています。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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