「高額消費」復活で、旅行もホテルもウハウハ 帝国ホテルからクルーズまで富裕層殺到

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3月の専用プランも前年同期比で増加。ネット予約も堅調だが、「ダイレクトの電話予約に限ると7割増」(帝国ホテル)の勢いで、年配の富裕層からの予約増加を裏付けている。

旅行業界全体への波及はこれから

ただ、こうした個々の動きが業界全体を盛り上げるほどのうねりにはまだつながっていない。

「単価は東日本大震災の前と変わらない水準まで回復してきたが、リーマン・ショック以前にはなお及ばない」というのは藤田観光。

同社が東京で運営する高級宴会場の椿山荘は、フォーシーズンズホテルとの契約を終了し、今年1月から宴会場・婚礼場とホテルとを統合した「ホテル椿山荘東京」として再スタートを切っている。近隣の同水準のホテルより割安感を出すことで稼働率を上げる戦略を採ってきたが、「今後は高額商品も取りそろえていきたい」(藤田観光)という。

旅行業界では、春のメイン商品は販売ピークが終わっている。好調な株式相場を背景とした本格的な高額旅行ニーズは秋が本番と見て、各社では新たな企画商品の開発に余念がない。

山川 清弘 「会社四季報オンライン」編集部 編集委員

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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