年内の米利上げ観測に左右される「日本株」 円高影響少ない中小型株の決算発表に注目

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原油価格下落を受けエネルギー株が売られた1日のNY市場。市場が見込む年内の利上げ確率も低下したもよう(写真:ロイター/アフロ)

米共和党の大統領候補、ドナルド・トランプ氏が民主党のヒラリー・クリントン氏を"口撃"している。公務で私用メールアドレスを使用した件を指摘し、ロシアへハッキングを促すような問題発言をした。さらにトランプ氏はイラク戦争の戦死者遺族を中傷した。米国では軍人や遺族は尊敬の対象として、彼らへの誹謗中傷はご法度とされている。これには民主党陣営の反発にとどまらず、共和党内からも異論が噴出して波紋を広げている。

一方、7月の東京株式市場では「トランプ」との通称を持つ任天堂が世間と市場を賑わした。全地球測位システム(GPS)や拡張現実(AR)技術を使った、新しいゲームが世界的にブームとなり、同社株へ期待先行の買いと利益確定の売りが交錯している。任天堂が創業当初に花札やトランプを製造していたことは、ベテラン投資家にとっては周知の事実と思われる。ただ、街や電車でスマホゲームに熱中している若年層は知る由もないだろう。

日銀会合を受け銀行株に買い

同社株は7月高値の3万2000円台から8月に入り2万1005円(8月2日終値)まで急落している。短期的な一極集中の偏重相場はかえって需給面でのしこりを残す。ちなみに任天堂の社名は、「運を天に任せる」という言葉に由来している。企業や起業家として社運を天に任せるのも妙案だが、投資家として運用(株式投資)は常に冷静な判断が必要だ。同社の場合、「ポケモンGO」について連結業績に与える影響は限定であると発表し急落したが、その後の株価は落ち着きを取り戻しつつある。

7月29日、日銀金融政策決定会合では株価指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ額を6兆円に倍増することを決めた。記者会見で黒田総裁は「ETFの買い入れについて、今後も増額を検討する可能性がある」と述べた。また、当座預金の一部への金利のマイナス幅を据え置いたため、一段の業績悪化の懸念が後退した銀行株にも買いが広がった。

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