日本最強農家の「グランピング」がスゴすぎる 高級キャンプは8月1日開業を前に予約で一杯

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

特にコテージは人気が高く、夏休み中はほぼ満室という盛況ぶりだ。そこで、今回は同じ敷地内の少し離れたエリアに常設テント15基からなるグランピング施設「ザ・ファーム・キャンプ」を開設した。

ザ・ファームの特徴は、運営しているのがホテルやリゾート会社ではなく、専業農家を中心とした和郷園グループだ、という点にある。一般的な知名度はさほどでもないが、日本で最も有名な農業団体のひとつだ。

和郷園グループは、千葉県香取市の農家を中心に100軒ほどの農家が集まった農事組合法人「和郷園」と、野菜の加工や流通を担う株式会社「和郷」という、2つの法人が中核。グループの年商は70億円に達している。

農家の集まりである和郷園が農業(1次産業)を担当し、収穫した野菜の加工(2次産業)や出荷・流通を株式会社の和郷が行っている。最近では大田区田園調布にスーパーマーケット「OTENTO」(おてんと)や飲食店を運営するなど、サービス業(3次産業)にも進出している。

付加価値の低いとされる農業が、加工やサービス業といったより付加価値の高い業種に進出することで、全体の収益性や継続性を高める「農業の6次産業化」で日本の最先端を行くグループだ。

農業も"モノ"から"コト"作りの時代に

農事組合法人の和郷、株式会社の和郷園と両方の代表を兼務する木内博一氏。日本の農業の最先端を行くグループとしてメディアや業界の注目度は高い

その和郷園グループが、こうしたグランピング施設を開業する理由を、代表の木内博一氏は、「和郷園らしい3次産業で、ファンを増やすため」と語る。

木内氏は、今の農業は需要が減って、供給過多になっていると分析する。「消費者の暮らしや食のニーズが変わっていく中で、農業には先取りして変わっていくぐらいの取り組みが必要」(木内氏)。

一方で「農業にとって持続的成長が一番必要。ある時に1000個を売るより、毎日1個売れた方がいい」(木内氏)。

そのため、消費者が直接訪れることができるザ・ファームを作り、バーベキューやレストラン、収穫体験を通じて和郷園の食材にふれる施設を作った。

コメや野菜といった”モノ”を作るだけでなく、体験消費である”コト”を作ることで、「毎日1個買ってくれるファンを増やしたい」(同)という。

今後はザ・ファームを中心に、広い土地を活かした結婚式、野菜や食材の通信販売など、より幅広い分野への参入を計画している。

次ページ旅行会社や農水省系ファンドも出資へ
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事