ベンツ、アウディ、VW、欧州車好調のワケ

小型化・機能性で攻勢かける

近年、欧州勢はこのような質感の高い「プレミアムコンパクト」というセグメントで一定の地位を築いている。かつて大排気量を得意とした高級輸入車だが、世界中で環境規制が厳しくなる中、エンジン排気量を抑える流れが強まってきた。その結果、小排気量ながら内外装などは高級感を保った輸入ブランドの小型車が11年以降、次々と市場に投入され始めたのだ。日系ブランドにはない“高級な小型車”が一定数の消費者に受け入れられている。

機能面も充実してきた

さらに安全や環境面など機能性の向上も販売増に寄与している。

13年連続で輸入車ブランド首位に君臨する独フォルクスワーゲン(VW)。12年は11%増となる5万6188台を販売した。13年は旗艦車種「GOLF(ゴルフ)」の新型モデルの投入を年央に控える。VWとしては01年に記録した6万1121台という過去最高の販売台数更新を今年の目標に掲げるなど、鼻息は荒い。

VWは昨年10月に新小型車「up!(アップ)」を発売した。4カ月で7400台を受注するなど、12年の販売に貢献。13年の牽引車としても期待がかかる同車の売りの一つが衝突防止ブレーキの導入だ。

富士重工業(スバル)の衝突防止システム「アイサイト」がヒットしたことをきっかけに、国内では安全装備に対する需要が高まっている。昨年は日系各社が同様システムの搭載車を次々と発売した。ただ、日系がオプション装備のところを、アップは全グレードに標準装備としたことで差別化を図った。

環境性能の向上も大きい。12年度のVW全体の販売におけるエコカー減税の対象車は92%に上る。これまでは日本車のお家芸でもあった燃費性能だが、欧州車も一定の燃費基準を達成する車が充実してきたことで、日系に対抗できるようになった。

かつてはブランド一本で勝負してきた輸入車勢。しかし小型車の投入や機能の充実で、実用面でも日本車との差がなくなりつつある。欧州勢の攻勢は一段と強まりそうだ。

(撮影:今井康一) 

週刊東洋経済2013年2月16日号

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