テレ朝会長激白、「テレビの縮小は宿命的だ」 テレビ局のトップはテレビ離れをどう語る?

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縮小

――社内から「テレビの競合になるのでは?」という声はなかったのでしょうか。

テレ朝の番組を配信する「テレ朝動画」とか、KDDIの携帯向けの情報サービスをしてきたので、疑問はなかったと思う。一部の社員はそうした感想を持ったかもしれないが。

映像はかつてテレビが独占し、生で受信するものだった。それが、まずは録画が始まった。DVDなども売り、マルチユースと言われるようにもなった。インターネットや有料の配信サービスも始まり、テレビ局が作るコンテンツは色々な媒体に広がっていった。だから、本体のテレビは宿命的にシェアが下がっていく。ただ、トータルで見れば、テレビ局が作るコンテンツに向き合う視聴者、広告主はそんなに減っていない、といったデータもある。

テレ朝も、スマホを使いこなす若い社員が入ってきている。視聴者もスマホが当たり前の存在なので、違和感を持つのは私のようなアナログ世代くらい。私もケータイとスマホの2台持ちで、思いきりが悪いのだが(笑)

テレビ離れは「テレビコンテンツ離れ」ではない

――よく指摘される「テレビ離れ」については?

テレビ離れは明らかに進んでいる。(テレビをつけている世帯を表す)世帯視聴率は下がり続けている。1980年前後、ゴールデン帯(19~22時)のトップ局の視聴率は週平均で18%くらいだった。今は12%でトップをとれる。それほどテレビを集中して見ることがなくなった。

これは茶の間の崩壊が大きい。昔は紅白歌合戦が視聴率80%をとっていて、ほとんどの日本人が見ていた。また、ドラマを見るために9時に家に帰っていた。今は帰らない。自分の生活行動に沿って、土日に集中して見ようとか、見られ方は変わった。

だから、テレビ離れは進んでいるけれども、単純に減少しているのではなく、色々なデバイス、メディアに広がったということだ。スマホにおける視聴率の調査はまだされていないが、それほど先ではないだろう。テレビ、パソコン、スマホ。トータルでどれだけ見られたのか、というデータは広告主も必要としている。

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