DVに陥りやすい人を見分ける4つのポイント 異常なほど結婚を急ぐ男には要注意

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また、意を決して家を出ても、実際に離婚することはたやすいことではない。加害者は別れ話にそう簡単に応じないからだ。「別れると言うのなら、おまえの両親や兄弟も無事ではいられないぞ!」。そうすごんで刃物をちらつかせたり、「どうしても離婚すると言うなら自殺する」などと脅かす。調停や裁判でも、「暴力などふるっていない」と平然と嘘をつくのである。

実家に逃げた程度では、すぐに追いかけてくる。嫌がらせの電話やメール、職場や子どもの学校での待ち伏せ……。度重なる脅迫やストーカー行為におびえて、せっかく家を出ても、再び家に戻ってしまう被害者はとても多いのだ。

「相手と別れた」のはわずか10.8%

まるで巧妙なわなにはまったように、被害者は加害者のもとから逃げ出せない。

2014年の内閣府の調査でも、何らかの被害を受けた女性のうち、「相手と別れた」のはわずか10.8%。「別れたいと思ったが、別れなかった」が45.8%、「別れたいとは思わなかった」が36.4%となっている。

なんとか離婚が成立しても、被害者にとって自立の道は険しい。安倍政権は「一億総活躍社会」「女性の活躍推進」などを掲げるが、女性や子どもの貧困が社会問題となっているように、シングルマザーが子どもと暮らせるだけの収入を得ることはたやすいことではないからだ。

もちろん、高収入のキャリアウーマンであっても安泰というわけではない。離婚後も加害者は執拗に追いかけてくる。安全を確保するには周囲の助けも必要となるが、職場で理解を得ることは難しい。「DV被害を受けている社員には転勤の便宜を図る」といった対策が広がるよう、アメリカに倣って、管理職向けのDV研修が企業でも行われることを期待したい。

DVは誰にとっても他人事ではない。拙著やこの記事が、被害者やその周囲の人々に「気づき」を促すものとなれば幸いである。まずは被害者が、自身の置かれている危険な状況を自覚することが重要なのだ。それが、自分自身を取り戻すための第一歩となる。

最後に、子どもへの影響についてもふれておきたい。暴力のある家庭で育ち、親のDVを目撃した子どもたちは、たとえ自身が直接虐待されていなくても心に深いダメージを負う。それが子どもたちを苦しめ、ひいては社会に悪影響を及ぼすという事実に、我々はもっと真剣に向き合うべきだろう。

梶山 寿子 ノンフィクション作家

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かじやま すみこ / Sumiko Kajiyama

神戸大学文学部卒業。テレビ局制作部勤務を経て、渡米。新聞記者として働きながらニューヨーク大学大学院で修士号(M.A)を取得。その後フリーに。DV防止法制定前からドメスティックバイオレンスの取材、及び啓発活動を続け、『家族が壊れてゆく』(中央公論新社)、『子どもをいじめるな』(文春新書)他を発表。最新刊は『夫が怖くてたまらない』(ディスカヴァー)。また、女性の生き方・働き方やソーシャルビジネス、教育問題、コンテンツビジネスなど幅広いテーマについて取材・執筆。書評家、テレビ・ラジオの放送作家としても活動している。主著に『トップ・プロデューサーの仕事術』(日経ビジネス人文庫)、『スクール・アーティスト』(文藝春秋)、『35歳までに知っておきたい最幸の働き方』(ディスカヴァー)、『鈴木敏夫のジブリマジック』(日経ビジネス人文庫)、『仕事と人生を楽しむために必要なこと』(PHP研究所)など。米国で出版した英文の著書に『Cool Japan: A Guide to Japanese Culture Past and Present』(MUSEYON)がある。

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