パソナ、ニチイ学館、エステーで最多の4人
女性役員が4人と最も多いのが、パソナグループ、ニチイ学館、エステーの3社だった。
人材派遣3位のパソナには、4人の取締役がいる。うち2人が、外部企業でのキャリアを積み重ねたのち、転職して同社に入社したキャリア昇進型、2人が新卒入社した内部昇格型の女性役員だ。
女性部長数も多かった医療事務受託最大手のニチイ学館では、教育事業を統括する常務取締役1人を筆頭に、医療関連事業や保育事業、ヘルスケア事業の各トップで女性役員が活躍する。いずれも、新卒入社・内部昇進型の女性役員であることが特徴だ。
芳香剤や防虫剤で大手のエステーでは、今年4月1日付で鈴木貴子新社長が誕生することが発表された。鈴木取締役は創業者の娘で、鈴木喬代表執行役会長(78)のめいに当たる。創業者系ではあるが、新卒で日産自動車に入社して7年勤務し、ヨーロッパのブランド品会社でマーケティングに携わり、01年にLVJ(ルイ・ヴィトン・ジャパン)グループに転職、さらに3社の代表取締役を歴任してエステーに入社した、キャリア昇進型ともいえる経歴を持つ。ほかには同じくキャリア昇進型2人の女性取締役と内部昇進型1人の女性執行役がいる。
3人は、資生堂、ブリヂストン、ベネッセホールディングス、ローソン、レナウンなど12社。2名は、ソニー、ヤフー、セブン&アイ・ホールディングス、りそなホールディングス、野村ホールディングス、中部電力など25社だ。
業種別ではサービス業が最多
業種別に見ると、サービス業が最多で13社、次に小売業6社、化学・電気機器が各3社と続く。サービス業が多い理由としては、人材派遣や教育、介護、旅行業界など家庭生活に根差した、女性の視点が活かせる点が挙げられる。次に、消費者に近く女性目線がカギとなる小売業、化粧品業界を含む化学や電気機器などで女性の活躍が目立っている。これらの企業は、東証が選ぶ「なでしこ銘柄」の候補となっているかもしれない。
1986年に施行された男女雇用機会均等法から今年で27年。当時22歳で総合職として入社した女性は今年49歳を迎え、あと数年で「役員適齢期」に近づいてくる。初めて上場企業の役員に就任する男女役員の平均年齢は56.7歳。女性の場合はやや早く52.2歳だ(前出『役員四季報2013年版』より)。女性の活用がどれだけ進むか、今後の取り組みが注目されている。
東証マザーズ,ジャスダック上場企業等を含む全上場企業3,550社、約40,000名の役員人事録。 氏名、役職、代表権の有無、社外取締役・社外監査役の区別、入社年、役員初就任年とその役職、就任年月、前歴・兼任先、生年月日、出身都道府県、最終学歴、担当職、役員持株数を掲載。
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