激震ロッテ、重光会長に捜査の手が伸びる時

創業一族からさらなる「逮捕者」が出る可能性

辛理事長の逮捕を皮切りに、創業者一族からさらなる逮捕者が出る可能性も高まっている。創業者である重光武雄(韓国名・辛格浩)総括会長さえも、不正資金容疑を受けている。しかし、重光総括会長が90歳を超える高齢であることに加え、すでに入退院を繰り返している身であることを加味し、検察は召還しての捜査は難しいとみている。

一方、財界からはほかにも、これまでベールに包まれていた重光総括会長の3番目の夫人・徐美敬氏と、その娘・辛ユミ氏、重光会長と経営権争いを繰り広げた日本ロッテホールディングスの重光宏之(韓国名・辛東主)前副会長らが召還される対象となりそうだ。

「日本にいるから、われ関せず」とはいかない

徐美敬氏は、重光会長と前副会長との経営権争いについて、これまで一切自らの立場を明らかにしてこなかったため、世間の関心が集まりにくい人物だった。しかし検察は、徐母子が所有する不動産が重光総括会長の不正資金ルートになっていたとみているようだ。

また以前、ロッテが徐氏にロッテシネマにおける売店の独占運営権を与えたことが「不当な業務委託」と公正取引委員会から指摘を受けたことがあり、この点についての追及が再燃している。財界関係者は、「大企業が不正資金をつくるのは不動産取引やグループ内の不当な取引が代表的手段。徐母子に対する検察の捜査も、シビアなものになるだろう」と言う。

一方の重光宏之・前副会長は、韓国ロッテグループのグループ会社の役員を歴任した人物。日本ロッテホールディングス副会長も務め、日本のロッテグループの経営をリードしてきた。ロッテケミカル、日本のロッテ物産といった、日韓両国をまたがる経営に関与しており、「日本にいるから、われ関せず」では済まされない。前副会長側はすでに捜査対象となることを念頭に置き、検察出身の弁護士を増やすといった動きを見せているようだ。

今後の最大の関心事は、重光会長にどこまで捜査の手が伸びるか、だろう。この点については「重光会長にまで捜査を進められると思わなければ、最初から辛英子理事長の拘束といったロッテ一家への捜査には着手しなかっただろう」との声がある。

このため、ロッテグループは極度の緊張状態に入っており、今後の経営の混乱を生じさせないよう躍起になっている。グループ側はすでに、「辛理事長の逮捕は個人的な不正疑惑に過ぎない」と発表した。

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