未回収金があったら、会社を辞められない?

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「一方的な意思表示による解約」とは、労働者からの一方的な意思表示(一般的に辞職という)により労働契約を終了させること、もしくは使用者からの一方的な意思表示(解雇という)により労働契約を終了させることをいいます。

辞職の取り扱い

労働者が退職の意思表示をし、それを会社が認めないということは、労働契約の終了に関して合意に至っていないものと解釈します。

「退職を認めないことはできますか」ということですが、民法第627条第1項(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)には、「雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」と定められているため、合意解約に至ることができなかった場合でも、労働者からの一方的な意思表示(辞職)により労働契約を終了させることができます。

なお、民法第627条第2項に「期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない」と定められており、月給制の労働者の辞職については、賃金計算期間の末日をもって辞職するならば、その賃金計算期間の前半に申し入れしなければならなく、後半になった場合には、次期の末日まで辞職することができないことになります。

また、期間を定めた労働契約(専門職者や60歳以上の高齢者を除き1年を超える契約の場合)を結んでいる労働者の場合は、1年を経過した日以後においては辞職できるという取り扱いがあります。

未回収金の取り扱い

退職金と未回収金を相殺することはできません。そもそも賃金は全額払いの原則(労基法第24条)があり、退職金も賃金です。売掛金の未回収金は、一概にその労働者に限った責任ではなく、会社の責任としてとらえるべきものと判断します。たとえ、労働者に不法行為があったとしても退職金をその損害賠償金と相殺することはできません。辞職のことも考慮しつつ、ここは、未回収金の回収について労使間で話し合いをしたうえで合意解約として退職日を決めていくべきです。

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