アウディ「A5」に見るクーペの贅沢と美しさ その乗り味は楽しく意外なほどシャープだ
乗ったのは、2リッター4気筒のアウディ A5クーペ 2.0TFSIクワトロ(185kW/252ps、370Nm)。加えてパワフルなアウディ S5クーペ。後者は新開発の3リッターV型6気筒TFSIエンジンを搭載し、260kW(354ps)の最高出力と500Nmの最大トルクを発生する。ともに日本導入が予定されているモデルだ。TFSIとは過給器を備えた燃料直噴エンジンを意味している。
シングルフレームとアウディが呼ぶグリルは幅広で低くかまえた印象が強くなり、前端が少し下にさがったボンネットには「パワードーム」というふくらみがつけられた。エレガンスとパワーの両立というむずかしい課題をデザイナーは上手にこなした感じだ。
はたして新型A5クーペ、とても楽しいのだ。
ネガティブな要素を見つけるのが難しい
新型アウディA5クーペでポルトガルを走ってたどりついた結論。端的にいうと「このクルマ、欲しい!」というじつに明快なものだった。A5クーペ 2.0TFSIクワトロは、それだけいい出来なのだ。低回転から扱いやすく、それなりに回す楽しみもあるスポーティな感覚の4気筒エンジン。意外なほどシャープなステアリング。安定した挙動。しなやかな乗り心地。静かな室内。ネガティブな要素を見つけるのが難しいほど全方位的によく出来ている。