富士通、医療・介護に見いだす商機 クラウドで徹底サポート

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富士通は約2年にわたり、医療法人社団 鉄祐会 祐ホームクリニックに”密着”してシステム開発を進めてきた。そんな中、11年には東日本大震災が発生。被災地では病院が移転を余儀なくされるケースも多く、しかも住民は仮設住宅などで生活するため、患者はなかなか病院に通うことができない。在宅医療介護の必要性はさらに高まっていた。

富士通と共同開発にあたった祐ホームクリニックの武藤真祐理事長は、「在宅医療介護には多職種のメンバーがかかわるのだが、これまでは連携がうまくいかないことが多かった。このシステムを利用することで、連携ミスを減らすことができる。作業が効率化される分、患者と向き合う時間が増えるので、患者側にもメリットがあるだろう」と話した。

1月からサービスを順次開始し、「高齢者ケアクラウド」関連サービスの売上高を15年度までに60億円、1000事業者に拡大することを目標としている。開発を担当したソーシャルクラウド事業開発室の阪井洋之室長は、「在宅医療介護だけでなく、患者の移動手段や買い物、食事の宅配、旅行など、ほかの民間サービスと連携できるようなプラットフォームにしていきたい」と中長期の展望を語った。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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