ドル円は95円方向も、当面の上値は90円75銭 ディーラー歴20年の達人が読む為替

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市場は発表直後の「無期限」という言葉に反応して、ドル円は90円10銭付近、ユーロ円は120円10銭付近、日経平均は1万0859円42銭の高値を付けたあとに下落に転じた。

22日の日経平均は、1万0709円93銭と37円81銭安で終了。22日17時の時点で、ドル円は89円台前半、ユーロ円も119円台前半と、ドル円、ユーロ円ともに1円以上の下落となってしまった。まさにBuy on Rumor sell on Fact(噂で買って、真実で売る)という市場の格言通りの展開になってしまった。

それでは、決定を受けてなぜ円高、株安になってしまったのだろうか?もう少し深く考えてみよう。主に以下の3つの要因が考えられる。

市場に漂った「期待はずれ感」

第1に、日銀は昨年10月発表の展望レポートで示した経済物価見通しをやや修正した。成長率は13年度は1.6%→2.3%に上方修正、14年度は消費税導入の影響などで弱含むが0.6%→0.8%に上方修正。物価上昇は12年度は0.2%下落、13年度は10月と変わらず0.4%上昇、14年度は0.8%→0.9%に上方修正した(消費税の引き上げ分を見込まず)。

しかし、日銀自身の展望が現状だと物価の目標の2%はおろか1%にも届かないとすれば、2%達成の実現性が疑われる。2%を達成するためにはさらに大胆な金融緩和が必要になるだろう。

第2に、14年から無期限の金融緩和とうたっているが、13年度は現行通りでおよそ36兆円の資産買入れ等基金の残高の増加が見込まれるが、14年度は毎月の国債買い入れが13兆円程度では10兆円ほど残高の拡大しか見込むことができない。これは今まで買い入れた国債の償還などがあり、無期限という割には、残高拡大の規模とペースに対する「期待はずれ感」が市場に漂った。

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