バングラ襲撃でISテロは「新段階」へ突入した 予想以上に厄介で危険な存在になっている

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バングラデシュ政府が3日発表した、死亡した人質20人の内訳は、イタリア人9人、日本人7人、バングラデシュ人2人、インド人と米国人が各1人だった。少なくとも30人が負傷し、ほとんどが榴散弾によるものだった。当局によると、最初の攻防で警官2人が死亡した。

IS系の通信社「アマーク」は7月1日、「ISの襲撃部隊はバングラデシュのダッカにある、外国人がよく訪れるレストランを攻撃する」と伝えていた。そして2日午前、殺害された外国人の遺体であるとISが主張する写真を配信した。

バングラデシュ軍の兵士たちは、装甲車両の支援を受けて、2日午前7時40分にそのレストランに突入した。全体の救出活動には12〜13分掛かった、と作戦を指揮したナイーム・アシュファク・チョードリ陸軍准将は、記者会見で語った。しかし、銃撃音と爆撃音は約40分間、レストランの外に響いていた。

事件前に一斉検挙、1万人逮捕

2日にダッカ市内は閉鎖され、自動車と歩行者を対象とする検問所が数ブロックごとに設置された。

今回のテロ攻撃は、かつて穏やかな国民性を持っていた国でさえ、国際的なテロ集団の連携によって、暴力の波に飲まれてしまうとの懸念を引き起こした。しかしバングラデシュ政府は、この襲撃は国内のグループが企てたもので、外国の勢力が仕組んだのではない、と主張している。

同国政府は最近、ある一斉検挙を終えていた。その際、1万人あまりが逮捕され、そのうち194人は、地元の武装ネットワークとの関連性が認められたと報じられた。

1日に起きた襲撃の連携の規模と程度からすれば、同国政府はこの銃撃戦が国内で指揮されたものだとする立場を再考せざるを得ないはずだ、との批判も出ている。

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