Netflixトップが語る「上陸2年目の課題」 スマホでの視聴促進でユーザー層を広げる

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リモコンについたネットフリックスボタン。2015年の取材時、ヘイスティングスCEOは「米国ではアマゾンやフールーのボタンもついている。視聴者は競争を求めているので、日本もじきにそうなる」と語っていた

――会員を獲得する上で、テレビのリモコンにつけた「ネットフリックスボタン」は、どのような役割を果たしたのか。

ネットフリックスボタンがついていることは、スマートテレビの販売を手助けしていると思う。このボタンはインターネットテレビの象徴だ。メーカーがスマートテレビをもっと売るためにつけているところもある。

――日本ではテレビの地上波放送を無料で見られる状態がずっと続いてきた。ユーザーにおカネを払わせるのは難しいのでは?

課金を受け入れてもらうためのカギは、一つはコンテンツを充実させることだろう。二つめはどれだけ簡単に使えるかということ。この二つで十分だと思っている。たとえば、オーストラリアも同様にテレビを無料で見られる国だが、ネットフリックスは支持されている。視聴中に広告が入らない、という点もポイントになる。

フジテレビとの提携はまだ話せない

――ネットフリックスは「テレビ局の敵」ではないのか?

「テラスハウス」などではフジテレビと連携しているし、NHKからもコンテンツの提供を受けている。ユーザーの時間の取り合いという意味では、敵になるかもしれないが、協力もする関係だ。日本のテレビのコンテンツはよく見られているし、ユーザーも楽しんでいる。

Reed Hastings/1960年、米国ボストン生まれ。ボウディン大学を卒業後、海兵隊に入隊。1991年、ピュア・ソフトウエアを創業しCEOに就任。1997年、ネットフリックスを創業。当初はネットで予約するDVDレンタルの会社だった

今後は、さまざまなサービスによって、動画サービスというカテゴリー自体が成長していく、と考えている。従来のテレビ放送も、チャンネルがNHKだけだったら、これだけ多くの人に利用されることはなかっただろう。ほかのテレビ局が現れたことで、より多くの人がテレビに時間を費やすようになっている。

――フジテレビと今後はどのような提携をしていくのか。

まだ話せることはないが、今後はよりオリジナルの作品を提供していきたい。

――テレビはリアルタイムの視聴が減少傾向にある。今後のテレビはどう変わっていくのか。

NHKがアプリを開発し、ネットで視聴できるようにしているように、ほかもそうしていくだろう。米国ではCBS、英国でもBBCが、同様にアプリを公開している。

(撮影:尾形文繁)

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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