スズキを過ぎると、今度はE席側にソニーとパナソニックの工場が現れる。いずれもグループ会社の工場で、ソニーは放送・業務用ビデオカメラなどを、パナソニックは自動車用のバッテリーなどを製造している。
その先の境川が、静岡・愛知県境。熱海以来、約170kmにわたって続いてきた静岡県の旅が終わる。
太平洋ベルト地帯を走る東海道新幹線の沿線には、日本を代表する企業の工場や拠点が多い。静岡県内の区間でも、さまざまな企業を見ることができた。静岡県内で、新幹線からよく見える場所に事業所を持つ主な企業を挙げてみよう。
●三島~新富士間:UCC上島珈琲、ジャトコ
●新富士駅付近:日本製紙
●新富士~静岡間:イハラケミカル、小糸製作所
●静岡駅付近:サッポロビール
●静岡~掛川間:中外製薬、日清紡、科研製薬、クノール食品、紀文食品
●掛川駅付近:NECアクセステクニカ、資生堂
●掛川~浜松間:日東工業、丸大食品、ユニ・チャーム、ポーラ化成、大塚製薬、ヤマハ発動機、ハウス食品、テイボー
●浜松~豊橋間:スズキ、ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ、パナソニック ストレージバッテリー
こうして見ると、静岡県に「のぞみ」が停車しないのが不思議に思えてくるほどだ。多くの企業が、新幹線から見えることを意識しており、箱庭のように綺麗だったり、大きな外壁サインを備えていたりする。
掛川~浜松間は工場の連続!
そうした「企業車窓」のハイライトは、掛川~浜松間にある。掛川を過ぎて間もなく、車窓の両側に資生堂(A席側)、日東工業(E席側)、丸大食品(A席側)、ユニ・チャーム(E席側)、ポーラ化成(A席側)、大塚製薬(A席側)と、次々と工場が現れる。
いずれも、東海道新幹線から見られることを意識して、池を配するなど極めて美しい。
工場全体が「ポカリスエット」のデザインに統一された大塚製薬袋井工場は、1996年に開設。ポカリスエットを中心としたペットボトル製品や、粉末飲料を生産している。夜間には「ポカリスエット」や「大塚製薬」といった外壁サインがライトアップされ、夜の新幹線の、数少ない車窓スポットとなっている。
1日40万人以上が利用する東海道新幹線は、企業にとって格好の宣伝媒体。幸運にも沿線に位置する事業者は、あの手この手でアピールをしている。
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