257――病床(ベッド)数がゼロの全国の自治体数 《気になる数字》

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日本全国1742自治体のうち、病院や一般診療所の病床(ベッド)数がゼロの自治体が257あることがわかった。厚生労働省が発表した「医療施設動態調査」(2011年10月時点)の数値による。

ベッド数ゼロの自治体は特に東日本の地方に目立つ。最も多かった都道府県は長野県の35自治体、次いで北海道27、福島県26が続く。直近の1年間でベッド数がゼロになった自治体は15を数えた。そのうち8自治体は福島県の原発事故避難地域も含む東日本大震災の被災地だ。同県大熊町は500床が、双葉町は260床が一気にゼロになった。

高齢化への対応も心もとない。現在、65歳以上の高齢者の人口が全人口の50%を超える、いわゆる「限界自治体」は7つあるが、うち6自治体はベッド数がゼロ。また、55歳以上の人口の比率が50%を超える「限界自治体」の予備軍が377あり、このうちベッド数ゼロの自治体は3割弱(104自治体)に達する。こうした地域の中には医療機関そのものすら存在しない自治体もある。財政面その他の事情で、医療機関を維持する余裕がなくなってきているのも事実だ。

まだ比較的余裕のある都市部も、今後、高齢化の進展は地方部よりもむしろ急激に進行することが予想される。地域医療面での安心をどう確保していくのか、懸念されるところだ。

(『都市データパック』編集部・加藤千明 =週刊東洋経済 2013年1月19日号)
記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

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かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

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