再び「日本株バブル」は起きるか 日経平均1万円台定着の条件(3)

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なぜ個人の株式保有意欲が高まらないのか

過去の例が示すように、なじみの薄い指標を取り上げて、個人投資家などに上昇期待を抱かせるようなことをすれば、かえって株式離れを招くだけだろう。

個人の金融資産は現在、約1500兆円に達する。しかし、日銀の資金循環統計によると、同資産に占める国内株式の比率は88年度に約11.3%まで上昇したが、11年度末では約4.1%にすぎない。

作新学院大学大学院の高橋元教授は株式保有の割合が高まらない理由について、「証券市場や業界に対する不信感があるのではないか」と推測する。「証券会社の敷居は高い、という心理的なバリアも依然として残っている」(高橋氏)。

個人と市場をつなぐ重要なパイプである投資信託も、十分に機能してるとは言い難い。「初心者の投信購入が多いことを踏まえると、保有が毎月分配型の商品に偏っているのは顧客側のニーズの高さよりもむしろ、販売する側が売りやすい物を売っているのが主因と考えざるをえない」(同)。

顧客に対して、証券会社の営業マンが手数料欲しさに、強く乗り換えを勧める例も後を絶たないと聞く。「適合性原則」をどれだけ重視しているのか、甚だ疑問だ。

「株式投資はギャンブル」。こうした見方がなかなか払拭できないのも事実だ。オンライン証券経由の「デイ・トレード」などがクローズアップされているためと見られる。むろん、投資スタイルは人それぞれだ。値上がり益(キャピタルゲイン)狙いの短期売買は否定されるものでない。デイ・トレーダーは証券市場への流動性供給の担い手でもある。

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