提案力を徹底比較! ケース別・おススメ生命保険◆30代編(全5ケース)

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ケース5◆30代前半【31歳・男・既婚・共働き】
子どもが成長したら家を買い替えたい

2歳というかわいい盛りの1人息子がいる31歳男性、会社員。年収550万円で、OLの妻も年収470万円。持ち家を購入したばかりで、ローン返済額は月18万円。60歳完済予定だ。10年後くらいには広い家に買い替えたいと思っており、毎月8万円を貯蓄している。現在の貯蓄額は300万円だ。保険については、「安いに越したことはないが、保障も重視したい」と言う。「自分のことは自分で」という性格の持ち主に、生保各社はどのような提案をしたのだろうか。ちなみに喫煙歴はない。

生保17社がえりすぐりの提案をしてきたが、保険料的には最低額が2791円、最高額が2万8227円と、大きく差が開いた。保険料が最も高い三井住友海上きらめきは、死亡保障額は500万円でさほど大きくない。この理由は終身保障であることと、月額15万円の年金があること、そして入院日額が1万5000円と非常に手厚いことだ。

三井のプランは、保険料は三井住友海上きらめきよりもやや安いものの、加入時の死亡保障は5800万円と高額だ。死亡保障額の大きさでは、ほかのプランでは太陽の5200万円、AIGスターの4000万円などが目立つ。

保険料の割安さで定評のあるオリックスの医療保険は、このケースでは毎月の保険料が1万円を超えたが、その分、死亡保障3000万円をつけている。第一の死亡保障額も4020万円と高額だが、それでも「妻が正社員で働いているが、子どもが小さいので夫に万一のときは妻がパートで働くことも考慮し、死亡保障を抑えた」と言う。

AIGエジソンの提案は外貨建てで死亡保障10万?。日本円で約1000万円の提案だ。妻が会社員として一定の収入を得ており、「住宅ローンも団体信用生命保険で完済できることを考慮すると、そんなに多くの保障額は必要ない」との見方をとる。

このケースの必要保障額はいくらなのだろうか。フィナンシャルプランナー(FP)の三輪鉄郎氏は「必要な死亡保障額は2000万~3000万円が目安」と言う。「住宅ローンで家を購入した場合、団体信用生命保険で万が一のときの住宅ローン負担がなくなるため、賃貸住宅住まいの家庭より、一般的に必要死亡保障額が下がる」というわけだ。

FP・和泉昭子氏も「万一の際も、持ち家で妻が正社員であることを考慮すると大きな保障は不要なため、死亡保障5000万円超は疑問」と言う。ただし、共働きの妻も住宅ローンを借りているケースについては、「夫婦でローンを借りている場合、夫の死亡後も妻のローンが残ることがあるため、その分を考慮し上乗せしておく必要がある」。FP・塚野玲子氏も「死亡時の不足額は約2050万円」と試算し、会社から受けられる保障(死亡弔慰金等)を確認して差し引き額を保険で準備することを勧めている。

では、どのような保険が適しているのだろうか。和泉氏は、「ローン負担が月18万円あるので、所得保障の意味も兼ね、医療保障は日額1万円を目安にすると安心」として、「保障を重視したいという希望を考慮すると、明治安田のプランがバランスがとれている」と見る。「産休等、配偶者の収入の変化があった際、一時的に保障を見直せるのも便利。ただし特約が多すぎるので、外せるものは外して、少し整理することが必要だ」と言う。

一方で、和泉氏は「死亡保障額を少なく設定できるという視点で貯蓄性のある終身保険を提案しているのが興味深い」として、AIGエジソンとアリコにも着目する。「ドル建てなので円に比べて相対的に高い利率が適用され、保険料を比較的安く抑えることができる」。大事な死亡保障なので、為替リスクには十分注意すべきなのはむろん、言うまでもない。

■各社のお勧めプラン(画像をクリックすると拡大表示します)

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