沖縄で抗議集会、米軍基地への反対訴える 参加人数は6万5000人

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 6月19日、沖縄県那覇市で、米軍属による日本人女性殺害事件に対する抗議集会が開かれた。写真は普天間基地(宜野湾市)。2010年5月撮影(2016年 ロイター/Issei Kato/File Photo)

[那覇市 19日 ロイター] - 沖縄県那覇市で19日、米軍属による日本人女性殺害事件に対する抗議集会が開かれた。米軍基地に反対するデモとしては、ここ20年間で最大規模。米軍基地をめぐって対立する日米政府と沖縄県の関係をさらに悪化させ、米軍普天間基地の移設問題に影を落とす可能性がある。

主催者によると、参加者は6万5000人。1995年に発生した米兵3人による少女暴行事件に抗議するため8万5000人(主催者発表)が参加した集会以来の規模となった。

参加者の1人、ツハコ・シゲノリ(70)さんには、軍属に殺害された島袋里奈さんと同じ20歳の孫がいる。「沖縄は日本の一部。小指を痛めたときも、全身の痛さをもって沖縄の痛みを感じてほしい」と安倍晋三首相に注文した。

少女暴行事件の翌1996年、日米政府は普天間基地を日本に返還することで合意。しかし、名護市辺野古沖への基地移設計画は、地元住民などの反対などで進んでいない。

6月初めの県議会選挙では、普天間基地の県内移設に反対する翁長雄志知事を支持する勢力が勝利した。「怒りは限界に達した」と書かれたプラカードが掲げられる中、抗議集会に出席した翁長知事は、米海兵隊の撤退を訴えた。

戦後も1972年まで米の統治が続いた沖縄は、本島の面積の5分の1を米軍基地が占める。県内に居住する米国人は5万人、うち3万人は米兵と基地で働く民間人だ。

沖縄に駐留する米海兵隊のトップ、ニコルソン中将はデモ前日の18日にロイターの取材に応じ、沖縄本島の北部訓練場7800ヘクタールのうち、4000ヘクタールを来年初めに日本へ返還する用意があると述べた。

一方、東シナ海における中国の動きを封じ込めたい日米政府にとって、沖縄本島を含む南西諸島は戦略的重要性が増している。自衛隊は戦力を北から南に移し、監視レーダーやミサイルを南西諸島に配備しようとしている。

女性殺害事件で5月下旬に米軍属が逮捕されると、米軍は沖縄県民の怒りを鎮めるため、1カ月間の「哀悼期間」を設け、基地外での飲酒を禁じた。しかし、直後に米海軍兵が飲酒運転による交通事故を起こし、県民の反発は一段と強まった。

「米軍基地はすべて日本から撤退してもらいたい」と、集会に参加した公務員のシマブクロ・リョウコ(28)さんは語る。「(安倍首相には)みんなの声をしっかり聞き、政治につなげてほしい」。

(ティム・ケリー、笠井哲平 翻訳:久保信博)

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