「架線なし」蓄電池電車が世界で増える理由

鉄道もハイブリッドなど次世代型になった!

蓄電池を搭載したニースのLRT。架線のない電車が世界で増えつつある(筆者撮影)

自動車好きでなくても、ハイブリッドカーがどのような仕組みで走るかは大体お分かりだろう。エンジンの他に駆動用蓄電池(バッテリー)を積み、エンジンで発電機を回したり減速時にエネルギー回生を行ったりして電気を貯め、必要に応じてその電気も使って走る自動車のことだ。

駆動用蓄電池はハイブリッドカー以外に、電気自動車や燃料電池自動車にも積まれており、次世代自動車技術の核のひとつと言われている。そして近年は鉄道車両にも搭載例が増えてきた。

すでにディーゼルカーへの蓄電池搭載は実用化されており、ハイブリッド車両としておなじみだ。世界初のハイブリッド車両は、JR東日本が2007年に登場させたキハE200形である。1997年に発表されたトヨタ・プリウスに続き、日本が世界に先駆けて実用化した。

走りながら充電、架線なしで走行

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JR小海線を走るハイブリッド車両、キハE200形(写真:Daisuke Shibuya / PIXTA)

現在小海線を走るキハE200形は、15.2kWhの性能を持つリチウムイオン電池を1両につき1基搭載する。ディーゼルエンジンは発電のみを行い、蓄電池に充電した電気とともにモーターを回す。もちろん減速時にはエネルギー回生を行う。その後JR東日本が登場させたリゾートトレイン用HB-E300系、仙石東北ライン用HB-E210系も、システムの内容は似ている。

ディーゼル機関車に蓄電池を搭載したハイブリッド機関車も存在しており、JR貨物のほか米国などで実用例がある。ただし、エンジンで発電した電力でモーターを回して走る電気式ディーゼル機関車は蓄電池を持たないので、ハイブリッド機関車とは呼ばない。

今回の主題はこれに続いて登場した、電車への蓄電池搭載例である。架線から集電した電気や回生ブレーキによって発生した電気を貯め、架線のない区間でも電気で走れるようにした。電気自動車に似た考え方だ。

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