原発廃炉で債務超過も 敦賀「クロ」判定の余波

再稼働が却下されれば廃炉濃厚に

もっとも、規制当局の独立性に対する疑念が晴れたわけではない。電力逼迫を理由とした政治判断で唯一運転している関西電力大飯原発の3、4号機について規制委は、直下にあるのは「活断層と考えても矛盾はない」と評価しながら、運転停止を求める決断は下していない。規制委の事務局である原子力規制庁が放射性物質拡散シミュレーションで何度も修正を迫られたことは、電力会社のデータへの変わらぬ依存と能力不足をさらけ出した。

とはいえ、原発事故を機に原発規制の枠組みは大転換期にあり、規制当局がその重大な責任を自覚せざるをえなくなっているのは確か。今後、活断層調査を実施しているほか4カ所でも厳しい判断が下されても不思議ではない。調査対象を拡大する可能性も出ている。(上図)

一方、原電の先行きが厳しいのは間違いない。敦賀原発は2号機だけでなく、1号機も廃炉に向かう可能性が大きい。規制委は「40年廃炉原則」を厳格に適用する方針を示しており、運転開始から42年経過の1号機は抵触する。そもそも1、2号機から東へわずか200メートルの敷地内を走る「浦底断層」は原電も2008年に活断層と認めている。準備工事中の3、4号機の本体着工も常識的に厳しい。

さらに、大震災で被災した東海第二原発は東海村村長をはじめ地元が再稼働に強く反対しており、たとえ安全審査にパスしても地元の合意を得るのが難しい状況。原電にとっては最悪の場合、所有する全原発を再稼働できない可能性すらある。

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