中国人強制連行、「和解」が及ぼす今後の影響

三菱マテリアルが自主的判断、その根拠は?

三菱マテリアルと和解した中国人元労働者(写真:共同)

これは「歴史的な和解」なのか。同様の問題を抱える日本企業への影響を懸念する声も上がり始めている。

三菱マテリアルは、第二次世界大戦中、労働を強制していた中国人元労働者に対して事実上の「謝罪金」を支払うことになった。

自主的な判断で謝罪し和解

第二次世界大戦中、三菱マテリアルの前身である旧三菱鉱業の事業所で働いていた中国人元労働者ほか約20名は、北京で開かれた和解合意の調印式に出席した。

三菱マテリアルは「歴史的責任に対し真摯かつ誠実な謝罪の意」を表明。「謝罪の証として1人あたり10万人民元(約170万円)を支払う」ことで合意した。和解合意の内容には、金銭の支払いのほかに、旧三菱鉱業の事業所跡地への記念碑建立や基金の設立なども含まれている。

とはいえ、なぜこのタイミングでの和解なのか。

日本政府は、1972年に日中共同声明を通じて、「中国側は国家対国家だけでなく、個人の賠償請求権も放棄した」との立場を表明してきた。日本の最高裁判所もまた、中国人被害者が提起した賠償請求を認めてこなかった。それだけに、三菱マテリアルは一民間企業として自主的に謝罪し和解の道を選んだことになる。

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