ルネサス、増資獲得でも不安だらけ 染み付いた”下請け体質”からの脱却がカギ

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数年前からルネサスは工場売却やリストラを繰り返し、旧親会社3社や銀行から出資を仰いできた。それでも苦境から脱せず、今年10月には旧親会社から計495億円を調達。7446人もの大リストラを実施したことで再建に道筋が付き、今回の増資にこぎ着けた。

そもそもここまでの苦境に陥った原因は、問題を繰り返し先送りしてきたツケだと考えることもできる。現在、世界シェア4割を握る車載マイコンという強い製品がありながら、他のお荷物事業が足を引っ張り、成長路線を描けずにきた。

会見のプレゼンテーションで赤尾社長は、提案力の強化に加え、「製品でなくプラットフォームを提供する」と掲げたが、これこそルネサスが苦手としてきた分野だ。長年しみ付いた“下請け体質”から脱却できなければ、成長分野へ投資しても低収益体質を変えることは難しく、再び行き詰まるおそれは否定できない。

国費投入で救済する重み

2009年に設置された革新機構は、政府と民間企業が出資する官民ファンドで、総額2兆円の投資能力を有する。この大半が国費であり、国民の税金がルネサス救済に充てられることになる。10日の会見で革新機構の能見公一社長は、「今回の出資に国が関するという意識はない」と断言したものの、革新機構を管轄する経済産業省の関係者は「ルネサスへの出資は国救済」と打ち明ける。

ただ単に資金を投入する程度で、ルネサスを再建することは難しい。誰が責任を担い、スピード感を持って改革を進めるのか。支援につまずけば、巨費のツケは国費で賄われることになる。

革新機構の能見社長は追加リストラを示唆しつつ、「今後の新体制については具体的に検討したい」と経営陣の交代にも言及した。水面下ではルネサスの次期社長候補の選定が進んでいるもようだ。ルネサスの抱える問題は根深い。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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