7000人リストラも一息つけないルネサス ルネサスの苦境
7446人のリストラを発表し、年間530億円の人件費を削減すると発表した半導体大手のルネサスエレクトロニクス。だが、これで人心地というわけにはいきそうにない。先行きは不透明感がさらに増している。
10月29日に発表した2012年4~9月期(上期)決算は、ほぼ計画通りの着地となった。売上高は前年同期比9.1%減の4093億円、営業赤字は233億円(前期は292億円)。最終赤字はリストラ費用がかさんだことで1150億円(同420億円の赤字)となり、期初予想よりも125億円悪化した。下期も追加費用を計上することで、通期で最終赤字1500億円を見込んでいる。
上期だけを見ると、自動車用マイコンは堅調だった。自動車向けのパワー半導体や中小型パネル向けも伸びている。だが、全体に目を向けると、工場譲渡や携帯電話向け、パソコン関連の半導体の縮小が響いた影響で売上高の縮小が止まらない。
下期(12年10月~13年3月)は「アミューズメント向け半導体の伸びと、上期のリストラ効果で改善に向かう」(佐川雅彦・執行役員)とするが、肝心の自動車用マイコンで不透明感が増している。中国での日系自動車メーカーの減産影響や、欧州の景気後退が影響して、10月に入り受注は弱含みに転じているという。民生用向けSoCもクリスマス商戦で上向くことを期待していたが、引き合いは鈍い。
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