フォロワー6万!82歳女性が人気を呼ぶワケ 17万ツイートの中身とは?

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面倒くさい相手への作法も心得ているとは、さすがカリスマユーザー。ツイッターは若者のツールだと思われがちだが、ミゾイさんは「年齢を重ねた人こそつぶやいてほしい」と確言する。

「政治的な発言や思想性の強いメッセージとは違い、実体験に基づく私たちの経験には、若い人も真摯に耳を傾けてくれます。当時、どんな状況でどんなことがあったのか……昭和の激動の時代を知る世代は、ネット上の便利なツールを通じて、自分の経験を後世に残して有効活用してほしい。 特にツイッターは誰でも手軽にできるからこそ、自分の体験を発信する装置として重宝します。老後を漠然と過ごすより、よっぽど生活に張りも出てくると思いますよ」

まもなく82歳を迎えるミゾイキクコさん。高齢にもかかわらず、毎日ツイッターを更新し、これまでにつぶやいた数は驚きの17万ツイート。自身の経験から紡がれる深く重みのあるつぶやきは、6万人を超えるフォロワーを集め、ついには書籍化に至ったほどだ。

ケチな姿勢はNG

溝井喜久子(みぞい きくこ)/1934年、埼玉県生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業後、高校教諭(生物)に。26歳のとき結婚を機に退職。2人の息子と小学生の孫2人がいる。2010年1月からツイッターを始め2016年4月現在でフォロワーは6万8000人にのぼる。ミゾイさんの珠玉のつぶやきをまとめた著書『何がいいかなんて終わってみないとわかりません。』(KADOKAWA刊)が好評発売中

ミゾイさんにとって、ツイッターはほんの小手先のこと。なんとタブレット型コンピューターiPadをはじめ、電子書籍リーダーkindleなど11台を所有し、インターネットをするとき、読書をするとき、外出時に持ち運ぶとき、という具合に状況に応じて使いこなしている“スーパー80代 ”でもあるのだ。

「ノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士や、キュリー夫人に憧れて理系の道に進んだほど、昔から新しいものに触れることが好きでした。高校生のころは、科学クラブで真空管ラジオを作ったりね。パソコンを始めたのは60代中ごろ。株式投資や、税金の計算が楽にできると知ってね。パソコン教室に通って教えてもらうなんて、私は時間もお金も無駄だと思ったから、とにかく自分で触って身につけました」

パソコンに慣れ親しんでいくうちに、iPadやiPhoneが登場した。

「便利かどうかは触ってみないとわからないから購入する」

ミゾイさんの動機はいたってシンプルだ。

「新しいものに対して“怖いからいやだ”なんて敬遠する高齢者がいますが、爆発するわけじゃないんだから(笑)。ただ、1台のパソコンを家族全員で共有すると“勝手にいじった”“ファイルが消えた”なんて面倒なことが起きるから、それがいやなんでしょうけど、要は自分専用のものを買ってしまえば、誰にも迷惑をかけない。ケチな気持ちが消極的な気持ちを生むの。“できるようになったら買う!”なんてケチくさい考えだったら、一生できませんて」

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