「ほっかほっか亭」でチェーン揺るがす騒動

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「ほっかほっか亭」でチェーン揺るがす騒動

チェーンにおける最有力FCのプレナスと総本部との間で訴訟ざたが繰り広げられている。(『週刊東洋経済』12月15日号より)

 首都圏や九州で持ち帰り弁当「ほっかほっか亭」チェーンを展開するプレナス(東証1部上場)が、フランチャイザーのほっかほっか亭総本部との間で、激しい内輪もめを繰り広げている。

 プレナスは、ほっかほっか亭店舗を2247店展開。全国で約3500店ある同チェーンの最大手だ。総本部の株式も44%保有している。ところが今年5月、総本部から「静岡県での地区本部契約を更新しない(契約満了日は8月末)」との通知書が突然送られてきた。11月には、来年2月末に満了日を迎える東日本5県での契約更新を拒絶する旨の通知を受け取った。

 プレナスは一方的な更新拒絶には理由がないとして、契約満了を迎えた静岡でも従来どおり営業を続けている。ロイヤルティも総本部に払い込んでいるという。が、総本部側はそれを「預かり金」として会計処理、プレナスの契約更新を認めない立場である。

両社の主張は平行線

 騒動の発端は、今年2月に起きたプレナス管轄店舗の消費期限切れ問題だ。プレナスは総本部に相談することなく単独で社内調査を実施し、「291店で消費期限切れ商品を販売していた」と発表。これはプレナス以外のフランチャイジーにも影響を及ぼす問題であったため、総本部は「事前に十分な相談があるべきだった」と反発した。

 さらに、10月にはワゴン販売をめぐって対立。近隣ビルに出張販売しているプレナスに対し、総本部は「出張販売は店舗としてカウントされない。契約形態を乱すものだ」と、ワゴン販売差し止めを求めて東京地裁に提訴した。

 両社の主張は平行線をたどったままである。プレナスは「迅速な情報開示は上場企業の義務」と主張。ワゴン販売も業績向上のためという思いがある。競争激化の影響で、2008年2月期は3期連続の減益が濃厚な情勢だ。一方、総本部は商品品質や店舗運営管理の面から、チェーン全体の足並みを重視している。

 そもそも、両社は06年12月から商標権をめぐって衝突していた。「ほっかほっか亭」商標の所有を主張するプレナスは総本部に対し、商標使用料を支払うべきだと東京地裁に損害賠償請求訴訟を起こしており現在係争中だ。いったん刻まれた深い亀裂は、当面は修復しそうにない。

(書き手:藤尾明彦)

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