シンガポールからベトナムまで、経済レベルは「6者6様」
ただ、気をつけなければならないのは、この主要6カ国の間においても大きな格差が存在していることです。国民1人あたりのGDPで見ると、日本を上回り、世界でも最も豊かなレベルにあるシンガポールから、1人あたりのGDPが1000ドル程度と、新興国の中でもかなり未発展の段階にあるベトナムまで、全く異なった経済レベルにあります。
このうち、インドネシアでは、ようやく1人あたりGDPが3000ドルを越えたところです。1人あたりGDPが3000ドルを越えると、過去、日本や中国でもそうであったように、多くの国民が初めて家電などの耐久消費財を購入できるようになると言われています。ですから、インドネシアは個人消費が急拡大していくことが期待されています。
また、マレーシアは、すでに発展途上国を卒業し、中進国の仲間入りとされる1人あたりGDP1万ドルを越えたところです。そして、シンガポールは前出のように、今の日本よりも豊かなところまで成長しています。
経済の発展度だけではなく、経済の構造も各国間で大きく異なります。シンガポールやマレーシアが、GDPに占める個人消費の割合が低い一方、輸出額が非常に大きい典型的な貿易立国であるのに対して、フィリピンはその反対の内需主導型の経済です。
確かに、統合が進むことでヒト・モノ・カネが自由に動き始め、7億人という膨大な人口の新たな経済圏が生まれようとしているという、地域全体としての東南アジアは非常に魅力的ではあるのですが、具体的に投資を行っていくタイミングでは、各国の個別の事情を踏まえて、投資対象を変えて必要があります。
次回は、東南アジアの主要6カ国について、具体的にどの業種が投資対象として魅力的であるのか解説をします。
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