自助努力には限界がある。趣味性の高い中大型バイクは、車種ごとに使う部品が異なる。九州武蔵精密が生産するギアの種類は、実に1611。そのうち、月の生産量が1000個に満たない部品が9割以上に及ぶ。1部品当たりの生産量が極端に少ないため、工程ごとに装置の取り替えが必要で、ラインを組むことさえ苦慮していた。
現在同社は、形状の近いギアを集約することで、その大半をラインで流せるように取り組んでいる。もちろん設計図面の変更が必要になるが、ホンダは協力を惜しまない。むしろ、コスト削減のネタをすべて出すよう求めている。
部品メーカーを巻き込む改革に着手したのは4年前。当初は思ったとおりには成果が上がらなかった。
「ホンダの図面がどんなに難しくても、それを実現するのが技術だと思ってきた」(九州武蔵精密の笠井昭輝社長)。下請け意識がしみ付いた部品メーカーは、ホンダと対等にやり取りするのに気後れがあった。
ホンダにしても、設計段階から部品メーカーの要望を細かく受け入れる体制になっていなかった。が、それも徐々に変わっていった。
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