スターエコノミストはインドを救えるか?

成長に急ブレーキ インドが抱える難問

たとえば、小売業界は貧困層に巨額の税金を実質的に課している非効率の源である。ウォルマートのような外国の小売企業に対して訴訟を起こすのではなく、インドはそうした企業の超効率的なやり方をまねて恩恵を受ける方法を見つけるべきだ。インフラは改善しつつあるが、国内の大半の地域で道路、港湾、水道、送電網は依然ひどい状態にある。

地方分権を進め弱体地域の自立を

もちろん、インフラ建造のために人々の生活や環境をブルドーザーで壊すわけにはいかない。が、一大抵抗勢力である腐敗した官僚や政治家たちの一群は経済改革への大きな障害となっている。

中央政府のマヒ状態は、国民12億人の民主主義国では不可避であり、再活性化する唯一の方法は、各州から成るもっと緩やかな連邦を確立することだと論じる者もいる。地方分権を行えば、経済的に弱い州の依存体質の改善を目指すことで、インドのより貧しい地域も長期的に恩恵が受けられる可能性がある。

近年、分権的な欧州が機能不全に陥り、より中央集権的になろうと苦労しているが、それでも少しずつ分権的な方向に進むことでインドはその恩恵を享受できるかもしれない。

地方分権は非現実的に聞こえるかもしれないが、かつては欧州連合もそう思われていた。もしシン首相の新たな改革計画が再び阻まれたら、おそらく、そのときはより抜本的な見直しをするべきだろう。

©Project Syndicate (撮影:ロイター/アフロ) 

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 岐路に立つ日本の財政
  • あの日のジョブズは
  • 西村直人の乗り物見聞録
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
文具業界を揺るがす動乱<br>「コクヨvs.プラス」の全真相

昨年末のぺんてる株をめぐる文具2強によるプロキシーファイト(委任状争奪戦)。両社のバトルには、8月に設立したプラスの卸子会社が2年前の計画で一度頓挫していたことにも伏線が。縮小する文具業界再編をめぐる壮絶な主導権争いに迫ります。