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九州新幹線で「最も恩恵を受けた地域」は? 開業から5年、地震乗り越え経済効果は大

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  • 櫛引 素夫 青森大学教授、地域ジャーナリスト、専門地域調査士

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今春で博多-鹿児島中央間の全線開業から5周年を迎えた九州新幹線(写真:tesshy / PIXTA)

九州新幹線は今春、博多~鹿児島中央間の全線開業から5周年を迎えた。2004年に新八代~鹿児島中央間が部分開業して南九州の交通環境を一変させた。2011年の全線開業時は、3月12日のテープカット前日に東日本大震災が発生するという試練に直面した。その後、利用は順調に推移し、全国を結ぶ新幹線ネットワークの「西の要」、そして「九州島内の足」としての存在感を発揮してきた。

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全線開業5周年イベントのチラシ=福岡県新大牟田駅(2016年3月、筆者撮影)

だが、全線開業5周年から1カ月後の2016年4月、最大震度7を記録した熊本地震が発生。長期の運休を挟み、大型連休前には全線が復旧したが、余震はやまず、ダイヤは今も平常には戻っていない。

筆者は3月半ば、『週刊東洋経済 臨時増刊号』の記事執筆のため、沿線を駆け足で訪れていた。この調査や過去のヒアリングを基に、あらためて重要性を印象づけた九州新幹線の足跡と課題をまとめてみた。

開業時の無念、5周年で振り払う

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3月9日夜、1年半ぶりに訪れた福岡市・博多駅前の「JR博多シティ」一帯は、桜色のイルミネーションに彩られていた。九州新幹線の節目を祝う明かりに、しばし見とれた。

2011年3月12日の全線開業のニュースは、東日本大震災の余波で全国に届かず、記念式典も取りやめとなった。後に国際広告祭「カンヌライオンズ2011」で金賞を受賞したJR九州の祝賀CMは、わずか3日間で放映が中止された。

今回の調査では、その無念さをようやく振り払うような「5周年」の文字やポスターが、博多駅や沿線各地の至るところで目に付いた。

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【ローカル需要の拾い上げに成功】

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