G7、鉄鋼の供給過剰問題に対応へ=サミット文書草案 中国に対策を講じるよう求める見通し
[東京 14日 ロイター] - 今月26─27日の主要国首脳会談(伊勢志摩サミット)に参加する主要7カ国(G7)が鉄鋼の世界的な供給過剰に対策を講じる見通しであることが、ロイターが入手したサミットの文書草案で分かった。
鉄鋼の供給過剰により、オーストラリアや英国などの製鉄所は閉鎖の危機にある。その原因として、中国の鉄鋼メーカーの過剰な生産能力を指摘する声は多い。
この草案が実際に採択される場合、世界の鉄鋼生産の約半分を占める中国に対策を講じるよう求める圧力はさらに強まるとみられる。
草案は「政府による(鉄鋼業界への)助成金や支援の特定とその撤廃に向けた協調などを通じた市場機能の向上および調整の促進によって、(供給過剰)問題への対策を迅速に講じることを約束する」としている。
草案では、G7は特に鉄鋼業界に対する政府や政府系機関による助成金などの支援を懸念していると表明。海外での生産能力拡大などに対する、これらの支援によって市場が歪み、世界的な生産能力過剰につながっていると指摘した。
関係筋によると、欧州の一部の国は、中国からの報復措置を恐れて草案の文言に反対しているという。
中国や米国などの主要鉄鋼生産国は先月、世界的な供給過剰の解消に向けて協議したが、具体策での合意に至らなかった。
中国は国内の粗鋼生産能力を今後5年で最大1億5000万トン削減する計画を表明している。
*内容を追加しました。
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