最速!7月参院選の気になる「当落」大胆予想 北海道・東北編:焦点は北海道の「3人目」

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定数が2から1へと減った宮城を制するのは与党か、野党か――。

民進党の公認候補の中で、もっとも早く野党共闘が整ったのが櫻井充陣営である。今年2月22日に都内のホテルで行われた「櫻井みつる飛躍の集い」で、挨拶に立った輿石東参院副議長はにこやかにこう述べた。

「仙台発の永田町行き切符は1枚しかない」。自信を覗かせる言葉だが、実際には楽勝ムードに甘んじる余裕はない。たとえば昨年10月25日に行われた宮城県議選だ。共産党が4議席から8議席に倍増されたのに対し、民主党は2議席減らしてわずか5議席しか獲得できなかった。さらに2013年の参院選でも、民主党(当時)の岡崎トミ子参院議員がみんなの党(当時)の新人である和田政宗氏に大激戦の末に約5000票差で敗退しているのだ。

要するに、野党共闘によるリードは数字の上の話で、実際にはさまざまな要因が動く。共産党の助力がなければ当選ラインに到達しないが、共産党の助力を全面に出せば、保守層が逃げていくという次第だ。

近々の選挙でどう学習するか。それが民進党が勝利を手にするための秘訣といえるだろう。

民進王国の福島で増子氏は議席を死守できるか

福島は自民党現職で法務大臣を務める岩城光英氏と民進党の増子輝彦参院議員の事実上の一騎打ち。98年から3回当選している岩城氏は、定数2の福島選挙区で常に2位に甘んじてきた。

そもそも福島は、「民進党王国」だ。かつてはその中心に渡部恒三元衆院議員が君臨し、知事を務めていたのが玄葉光一郎衆院議員の義父である佐藤栄佐久氏だった。その佐藤氏が不祥事で知事を辞職すると、後任に就任したのが参院議員だった佐藤雄平氏。佐藤氏は渡部氏の甥であり、長年の秘書経験を認められて秘書会長も務めた。

佐藤雄平氏が知事選出馬のために参院議員を辞職すると、その後継になったのが衆院議員だった増子氏。増子氏は2005年の郵政民営化選挙で落選した。同時期、岩城氏にも知事選出馬が噂された。だが背後に渡部恒三氏が控える佐藤雄平氏に勝てる見込みが少なかったため、出馬を諦めたとも伝えられている。 

このように常に民主党(民進党)に先を越されてきた岩城氏だが、次期参院選ではこれに「野党共闘」がのしかかることになる。
 

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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