野村HD、6期赤字の海外で大規模リストラ 頼みの国内も急失速、内憂外患が襲いかかる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

過去2回発表したリストラでは、結局、3年間で同部門のコストを約15億ドル削減。うち10億ドル前後が欧米における削減額とみられる。同期間で野村の欧米人員は959人減少した。その後も給与水準は引き下げられており、単純比較は難しいが、今回のコスト削減額から逆算すると、少なくとも700人規模の削減になるとみられる。欧米全体の人員の1割程度の削減だ。

世界規模で深刻化する金融市場の取引低迷

野村のニューヨークオフィス。米国でも企業調査などの業務をリストラする

事業の縮小を迫られているのは野村だけではない。米モルガン・スタンレーは債券トレーディングをはじめとしたフィクストインカム部門で25%(1200人)を削減。

ほかにも、クレディ・スイスや英バークレイズ、HSBC、米ゴールドマン・サックスなど、名だたる金融機関が法人向けサービスを主業務とする投資銀行部門を中心に、大幅な人員削減や報酬の見直しを打ち出している。

各社が冬ごもりの支度を進める背景にあるのが、世界規模で深刻化している金融市場の取引低迷だ。中国経済の先行き不透明感や原油価格の暴落などにより、世界的にリスクマネーが減少。投資家たちは様子見を続けている。

さらには、2008年秋のリーマンショックをきっかけに、欧米では金融規制の強化が進行。リスク圧縮のために、自社で保有できる債券の量に制約が生じて、債券トレーディング業務には、かつてない逆風が吹いている。

M&A関連業務も厳しい環境に置かれている。4月、米製薬大手のファイザーによる同業大手の買収計画が、米規制当局からの横やりで頓挫した。節税を狙ったM&Aへの規制が強化されたためだ。これからM&Aに足踏みする企業が増えかねない。

次ページこれまで好調だった国内にも暗雲が・・・
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事