アベノミクス終焉で日本はかなり厳しくなる 藤野英人氏が英EU離脱後の日本経済を予測

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不祥事を溜め込んでいる今の日本企業は、いわば「パンドラの箱の集合体」です。ですが、最初に開けたところから良い会社になっていくでしょう。残念ながら、かつて中途半端に三菱グループが助けてしまった三菱自動車は不正を繰り返してしまいました。しかし、過去に不正会計問題を起したオリンパスは自力で立ち直り、今は優良企業になっています。

現在、東芝の信用は地に落ちていますが、保有資産を売却してNAND型フラッシュメモリに集中しているのは良いことです。周辺事業を切って、儲かるど真ん中に投資をするようになりました。シャープもそう。技術力があるのに意思決定がダメでしたが、鴻海精密工業の傘下になったことでテリー・ゴウというとんでもない人が入ってきました。世界で戦っている優秀な超ワンマン経営者と、シャープに残っている技術が組み合わさることで、大きく変わるかもしれません。

日本はこれから一人ひとりがぬるま湯から出なければいけない時代になります。そこでちゃんと服を着て戦いに行くか、別のぬるま湯を探して、あげく凍え死ぬかの格差が大きく出ることになると思います。これは企業だけでなく、個人もそうです。付加価値を出す力や自分で動く力が必要になる、そういう時代に入ってきたのです。

(構成)渡辺 拓未

藤野 英人 投資家。レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長CEO&CIO

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ふじの ひでと / Hideto Fujino

1966年富山県生まれ。国内・外資大手投資運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年に独立しレオス・キャピタルワークス株式会社を創業。とくに中小企業株および成長株の運用経験が長い。「お金」や「投資」を通して、株式会社や日本社会、世界経済のあるべき姿を模索し続けている。教育にも注力しており、東京理科大学上席特任教示、叡啓大学客員教授、淑徳大学地域創生学部客員教授も務める。著書に『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)ほか多数。

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