大量の「だまされ役」投入!電話詐欺の撲滅策 犯人グループの拠点が関東から地方に拡散

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佐賀県と県警が作成したニセ電話詐欺防止を呼び掛ける啓発ステッカー

佐賀県警は、被害が後を絶たないニセ電話詐欺の対抗策として、警察退職者らの協力で「だまされたふり作戦」に乗り出す。県内在住のOBら約920人と家族に不審電話の「だまされ役」になってもらい、犯人をおびき寄せて摘発する。

犯行グループが被害者を呼び寄せて直接、現金を受け取る手口が増えていることに着目した。警察官OBらが自宅で不審な電話を受けた場合、話に乗り、犯人との接触の機会をつくる。

今年に入り、不審電話・詐欺被害が急増

当記事は佐賀新聞LIVEの提供記事です

県警生活安全企画課によると、県内では1月から3月にかけて不審電話が急増し、オレオレ詐欺や医療費の還付金詐欺などの被害が19件あった。被害総額は前年同期に比べ4600万円増の7499万円に上る。

このため、摘発につながる通報をした県民への表彰制度も新設する。金融機関とも連携し、無人の現金自動預払機(ATM)コーナーでニセ電話詐欺への注意を促す音声を流したり、携帯電話の使用を禁止したりするなど対策を強化する。

今林寛幸県警本部長は「犯人グループの拠点が関東から地方都市に拡散するなど情勢が変わってきており、一層の警戒が必要」と話している。

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