ソニーの命綱イメージセンサーが抱える不安 3年ぶり最終黒字化だが、喜ぶことはできず

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世界シェアは5割弱(2014年、金額ベース、テクノ・システム・リサーチ調べ)で、米アップルの「iPhone」など高価格帯のスマホから引き合いが強い。ソニーでは、自社ブランド製品の販売不振が目立つ中、業績回復の立役者だった。その急減速が冒頭の吉田CFOの落胆に繋がったといえる。

成長に陰りが見え始めたのは、2015年の秋。iPhoneの最新機種の販売が伸びず、受注量が想定を下回り、今年1月の第3四半期決算時、事業の業績見通しの下方修正を余儀なくされた。

それから3カ月経ち、事態は改善するどころか悪化。受注減の継続、工場稼働率の低下(製造コストの上昇)、円高による利益額の目減りという、”三重苦”にあえいだ。その結果、第4四半期(2016年1月~3月)のイメージセンサー事業は、赤字スレスレの状態になった。

スマホ減速によるデバイス分野への影響はそれだけではない。

イメージセンサーの拡大にあわせ、2014年3月期後半からカメラモジュール事業(カメラ周辺部品の組み立て事業)に参入していたが、将来の需要見込みの減少を踏まえ、4月21日には、長期性資産の減損596億円を営業損失として計上。2016年3月期のデバイス分野は、286億円の営業赤字に転落した(前期は890億円の営業黒字)。

会見で吉田CFOは、「デバイスがソニーの成長牽引分野であることに変わりはない」とするものの、イメージセンサーの本格的な需要回復は2017年3月期の下期以降と見ている。

当面の成長を担うのはゲーム

10月に投入される仮想現実ヘッド「プレイステーションVR」は救世主となるか

デバイスに元気がない今、今期の成長を担う存在として期待されるのが、ゲーム事業である。2016年3月期の営業利益は887億円で、金融の次に稼ぐ出世頭だ。最新機種「プレイステーション(PS)4」は2013年秋の販売以来、PS史上最速で世界累計実売台数が3590万台を突破するなど(2016年1月時点)、好調が続く。発売から2年以上経過し、ソフトが充実してきたことに加え、今年は10月に仮想現実ヘッドセット「プレイステーションVR」(希望小売価格4万4980円)の発売を控えるため、まだ拡大の余地がありそうだ。

ようやく最終赤字を脱し、復活し始めたソニー。収益柱がゲームに交代し、今年も成長を維持することができるのか。5月の業績見通しで、どんな数字を出してくるのか待たれる。

田嶌 ななみ 東洋経済 記者

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たじま ななみ / Nanami Tajima

2013年、東洋経済入社。食品業界・電機業界の担当記者を経て、2017年10月より東洋経済オンライン編集部所属。

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