GDPは連続マイナスの公算、それでも鈍い政府 大規模な対策を求める民間との間に温度差
[東京 28日 ロイター] - 28日に発表された鉱工業生産や家計調査などのデータを受け、今年1─3月期の国内総生産(GDP)は2期連続のマイナス成長となり、4─6月期もゼロ近辺の成長になるとの見通しが広がってきた。ただ、政府内では具体的な経済対策の規模や内容の詰めが進んでおらず、大規模な対策を求める民間サイドとは対照的な動きとなっている。
生産実勢は悪化、GDP連続悪化の公算
SMBC日興証券・チーフマーケットエコノミストの丸山義正氏は「1─3月期がマイナス成長となる可能性は高くなった」とみている。
今年の2月はうるう年のため、本来ならばその調整を実施しないGDPはかさ上げされるはず。みずほ証券・シニアマーケットエコノミストの末廣徹氏は「うるう年による押し上げ効果は0.3%程度とみているが、それを除くと1─3月は実質的にマイナス成長」と予想。「テクニカルには景気後退」と指摘する。
実際、鉱工業生産指数は1─3月期が前期比1.1%低下となったが、問題は生産よりも出荷の減少幅が大きく、需要の停滞が色濃くなっている点だ。在庫が積み上がり、これまでの在庫調整の進捗が逆戻りし始め、今後の生産調整が長引く可能性が高まっているとみることができる。
また、足元の個人消費の停滞は、耐久財出荷の減退にも表れている。企業サイドも円高による収益懸念や生産の伸び悩みで、設備投資に消極的になってきた兆しが見え、その証拠として資本財出荷の大幅悪化を挙げることができそうだ。