野村HDに見えてきた最悪局面打開の道筋
インサイダー関連事件で行政処分を受けた同グループの営業現場が持ち前のテンションの高さで営業姿勢を過剰に強めれば、それだけリーガルリスクが潜在的に高まらざるを得ないという見方は少なくない。それが現実化すると、経営体制を刷新したばかりの同グループには大きな痛手になる。その意味では、今回の国内営業部門の収益状況には危うさがない。好材料とすらいえるだろう。
他方、懸案のコスト削減については、前述したように「欧州を中心に計画の27%の進捗」(中川順子CFO)であり、今後の進捗も含めて「今第4四半期(13年1~3月期)から来期上期に効果が出てくる」と言う。第2四半期に発生したコスト削減関連の一時的費用(合計67億円)がこの先のコスト削減の進捗でさらに発生する余地は否定できないが、むろん、注目すべきはコスト削減効果のほうだ。
これは野村関係者からの話ではないが、今回のコスト削減では、欧州拠点の高額報酬社員のリストラが相当な比率を占めたようだ。
第3四半期(12年10~12月期)以降についても、経営環境の厳しさが改善する見込みは乏しい。が、その半面では、第2四半期までよりも第3四半期以降のほうが増資案件などは拡大するのが一般的な流れだ。そうしたなかで、コスト削減効果が発現すれば、野村グループに局面打開の色合いがさらに増す可能性がある。
(浪川 攻 =東洋経済オンライン)
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