価格は38万円前後。それに配送料、組立設置費用が乗る程度。高いと思うかもしれませんが、機能と価格が評価され、東京都、横浜市、名古屋市、そして神戸市、さいたま市などで、購入資金の一部を補助する制度の対象となりました。この補助金制度は、さらに広がる勢いです。
フジワラ産業では最近、より簡便な方法も開発しました。部屋のクローゼットを「緊急避難シェルター」に変えるのです。中央に1本、そして4隅にも鉄の柱を建て、地震の時はその下に入って中央の柱に抱き着き、倒壊に備えます。
「ベッド枠」よりもさらに安価(28万前後)で、設置も簡単です。今回、学生寮で若い命が失われましたが、そうした寮の部屋にこのシェルターがあったら、悲劇が防げたかもしれません。居住状況、予算などに応じた様々な個人用耐震製品がラインアップされています。
大阪湾に浮かぶ謎の鉄塔
藤原社長は、岡山の田舎から大阪に出てくる電車の中で、どういうものを作って特許を取ろうか、という夢を抱き考えていたと言います。筋金入りの発明家です。
その後、事業を立ち上げて、大阪府より発明実施功労者賞、発明協会より大阪優秀発明賞を受賞しました。発明品がビジネスに繫がって、収益を生んでいるのです。ではどうして、奇抜な発想が世に受け容れられ、事業として成り立ったのでしょうか。
このフジワラ産業は、従業員40名。防災分野でユニークな製品を提供して、世間の注目を集めています。代表的なのが、津波被害から人命を守る避難タワー。その名もずばり、「タスカルタワー」と言います。現在、高知県黒潮町で、日本一高い鉄塔を建設中です。津波の高さ最大34メートルに耐えられます。地形、付近住民の人数に合わせたオーダーメイド製品です。
藤原社長が、最初、この避難タワーを作ろうと言ったら、社員の目は冷ややかだったそうです。
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