日経平均、1万8000円台回復はあるのか 27・28日は日銀会合、追加緩和期待する市場

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一部市場関係者は「日銀会合前に前向きなコメントを発したことで市場が過敏に反応しただけ」と否定的に見ているが、外国証券会社のレポートでは早い段階で「ETF買い入れ枠の拡大」など追加の金融緩和実施の可能性が取り上げられていたことから、思惑は既に高まっていた。黒田日銀総裁のコメントは市場心理を刺激するには格好のタイミングだったとも言える。

それでは足元の市場で期待されている追加の金融緩和とは、どういった内容なのか。まずは1月29日に導入したマイナス金利だが、まだ3カ月ほどしか経過していないことから効果を判断するにはいかんせん時間が足りない。

黒田総裁はことあるごとにマイナス金利幅の拡大余地が有ることを示唆しているものの、今回マイナス金利の幅を拡大する措置はとらないと想定する。ただ、週末に「金融機関への貸し出しにもマイナス金利適用を検討」と伝わったことから、マイナス金利の適用対象を拡大する公算が大きいのではないか。

一方、黒田総裁は、4月20日に開かれた衆院財務金融委員会において、大規模な金融緩和で実施している国債の大量買入れが2017年半ばにも限界を迎えるとの市場の懸念に対して「(限界は)もっともっと先。当面限界は考える必要がない」と反論している。

日銀は年間80兆円ペースで国債を買い入れており、保有残高は発行残高の3割に達している。買入枠を増やすとなると国債市場の需給はよりタイトな状況となる。ゆうちょ銀行やかんぽ生命が、国債の比率を引き下げるなど運用方針を変更しない限り、これ以上の国債買入枠の拡大は難しいと考える。

となればETFの買入れ枠の拡大か。現在は年間3兆円の買入れを実施しているほか、4月より新型(設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業を対象、年間3000億円)のETF買入れもスタートした。

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