アジアで覇権拡大狙う南米エネルギーの雄

米国エクソンモービル系の東燃ゼネラル石油から沖縄に製油所を持つ南西石油を買収したブラジルの国営石油会社ペトロブラス。

ペトロ社は南米を代表する石油会社で、世界27カ国に拠点を構える。油・ガス田開発や石油精製・製品販売などを手掛けており、深海での探鉱・開発技術への評価は極めて高い。日本上陸の最大の狙いはアジア市場の深耕。沖縄の地理的優位を生かし、東南アジア各国や中国、台湾、インドなどへの石油製品輸出の拠点として活用する考えだ。

日本国内の製品需要は減少傾向にあるが、「世界で上位5指に入る目標を掲げた以上、日本の市場からもそんなに遠ざかってはいられない」(ジョゼー・セルジオ・ガブリエリ総裁)。工業用のニッチな領域で、製品需要の開拓に取り組む。

バイオ燃料用のエタノール販売拡大も優先課題の一つ。ブラジルといえば「エタノール大国」。沖縄拠点は「ブラジルのエタノールをアジアへ展開するうえで、重要な役割を果たす」(ガブリエリ総裁)と期待が膨らむ。

ただ、南西石油の製油所の原油処理能力は日量10万バレルと小規模で、老朽化も進む。ペトロ社はブラジル産の重質原油を処理して付加価値の高い軽質油を生産する装置などの導入を急ぐ考えだが、資材費高騰などで建設コストがハネ上がる可能性もある。製品輸出で正面から競合を強いられる石油元売り各社もまずは「お手並み拝見」の姿勢だ。
(松崎泰弘 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済)

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