反共に代わる旗がまだ見つかっていない 加藤紘一 自民党衆議院議員

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わたしの『自民党論』 反共に代わる旗がまだ見つかっていない--加藤紘一 自民党衆議院議員

--自民党の党改革はどこまで進んだのでしょうか。

自民党は政権構想会議で新たな綱領を出し、政策の基本を打ち出した。その基本は、何でも政治がやってあげるという「公助」ばかり大きくするのでなく、「自助」「共助」「公助」のバランスをとることだ。政権運営には公募も取り入れる。日々の活動では、国民と党員との密接な関係を築く。そういう地道な活動を自民党は3年間やってきた。

ただし自民党というのは、1955年に左右の社会党が一体化したことに危機感を持ち、「この国を社会主義にしない」という党是の下、民主・自由党が一緒になってできた反共政党だ。その目標は91年のソ連崩壊で達成された。その後、反共に代わる党是が見いだせず、現在でも新しい旗の下に大きく変わったとはいえない。民主党の政権運営への批判が、自民党への期待になっている。

──自民党政権時に推進した政治改革をどう評価していますか。

政治改革は、政治におカネをかけない、政策中心で政治をやる、政権交代がある、この三つを掲げ、選挙制度改革で小選挙区制を導入した。

ただし、小選挙区になったからといって、おカネがかからなくなったわけではない。また政策中心の2大政党といっても、自民党、民主党の政策を見ると似たようなもので、政策対決にはなっていない。

そうした状況は候補者になるとよくわかる。小選挙区制では候補者による1対1の対決で、51%の票を取らなければいけない。しかし、実際には51%では不安定だから、60%くらいの支持を集める選挙運動をする。世の中の60%の人が賛成する政策となると、皆似たようなことを言い出す。いわば品ぞろえの陳腐な総合デパートみたいなものだ。すると有権者は、ブティックみたいな個性の強い品物を求め、シングルイシューに行き着く。しかし本来、奇抜な政策というのは成立しない。

これからの日本は2大政策、2大政党群を目指すべきだ。中核になる保守政党Aと保守政党Bがあり、その周辺に中小政党が複数存在する。米国重視の中核政党Aの立場が弱まったら、アジアとの関係が強い中小政党Cと連携する。また環境汚染がひどくなれば、環境政党Dと連携する。そうやって少しずつ方向を変えていけばいい。

──議員連盟では中選挙区制の復活を訴えています。

中小政党は小選挙区制の下では生き残れない。そのためにも中選挙区制を復活させる必要がある。

(撮影:尾形文繁 週刊東洋経済2012年10月20日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


かとう・こういち
1939年生まれ。東大卒後、外務省入省。1972年衆院選初当選。内閣官房長官、自民党幹事長などを歴任。「衆議院選挙制度の抜本改革をめざす議員連盟」代表世話人。

 

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