糖尿病の足切断防ぐ新ステントを国内初投入--米医療機器大手副社長に聞く
--中国で苦戦している日本の医療機器メーカーからは、代理店政策が難しいとのぼやきが聞かれる。
中国はユニークな市場。他国でこれまでに培ってきた代理店の扱い方や営業のテクニックは通用しない。日本だけでなく、米国や豪州のメーカーにもいえることだ。中国で大事なのは「リレーションシップ」。誰と誰が知り合いで、どういう関係かといったことに基づいて社会が動く。
当社の中国拠点のマネジメントを取り仕切るのはすべて中国人であり、「ガバメント・リレーションシップ」という中央政府や地方政府専従の役職を設けている。この辺りが日本の企業では徹底されていない。
中国には多くの規制やルールが存在するが、日系企業の場合、「規則は規則」であり、その範疇を逸脱できないとあきらめてしまう。これに対し、「法律は法律、しかし……」と考えるのが中国流。会話をしているうちに、「それはそれでいいや」となってしまう面もある。
ビジネスにも時間がかかる。ミーティング(会議)もイーティング(食事)、そして、グリーティング(あいさつ)にも。中国人にとってのビジネスは、ディールを決めれば終わりではない。それぞれの国のビジネスには、地域独自のものがある。日本だってそう。ビジネスに関する連絡にFAXを利用することもあるが、豪州ではメールが一般的。だからといって、「なぜFAXなのか」などといらいらしても仕方がない。
--日本では医療機器を販売する際、病院で機器購入に影響力を有するキー・オピニオン・リーダー(KOL)のケアが大事などといわれる。中国では中央・地方政府にKOLがいるということか。
その通りだ。KOLは医学界だけでなく、政府の医療分野にもいる。先日、北京で開かれた会議の展示ブースにも厚生労働大臣などがやって来た。つながりやコネなどが大切になる。