ガリバー、営業利益100億円狙う渾身の一手 オークションと店舗の両輪で勝負

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20代や30代のファミリー層を狙うため、展示販売店の中にはミニバン専門チャネルを設置。ファミリー層を顧客基盤に持つ、大規模ショッピングセンターへの出店も加速させている。木更津や今治のイオンモール内で運営されているのは、「HUNT」と呼ばれる複合型販売店。アウトドア用品店やカフェを併設し、親子連れで楽しめるイベントを開催する。

滋賀県と埼玉県の大型ショッピングセンター内では、展示車のジャンルを月ごとに変える、「ビークルポート」と呼ばれる新形態の店舗を運営し、家族連れの集客力を向上させている。

ネット広告で買い取り台数を確保

ガリバーは2020年2月期に、国内743店、小売り台数16万台、営業利益210億円を、目標に掲げている(2016年2月末で503店、小売り台数7万台、営業利益75億円)。小売り事業を強化し、車検やアフターメンテナンス、自動車保険の販売など、新たな収益源が得られるうえに、顧客との継続的な接点ができれば収益基盤も安定する、という算段だ。

とはいえ、買い取り台数を十分に確保できなければ、小売り台数は増やせない。ガリバーは自動車売却を検討している顧客の補足率を高めるため、GoogleやYahooなどのネット広告を活用。その結果、2016年2月期の販売管理費は103億円増加(前期比30%増)したものの、その分、買い取り台数は18万台と14.2%増加した。

小売り台数の増加に加え、2015年10月に買収した豪州の新車ディーラー(年商600億円)が通期で業績に寄与することで、今期は初めて営業利益が100億円の大台に乗る見込みだ(前期比43.2%増)。

人口減少で年々縮小する国内の自動車市場。生き残りを賭けて果敢に挑む、中古車の巨人・ガリバーの強気の出店戦略は吉と出るか。

宮本 夏実 東洋経済 記者

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みやもと なつみ / Natsumi Miyamoto

自動車メーカー、部品会社を担当

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